2028年10月からの、被保険者期間の数え方
雇用保険法14条と改正法の附則を、例の日付に当てはめて読みます。基本手当の額は扱いません。
「1か月」は暦の月ではない
被保険者期間は、離職日の翌日 (被保険者でなくなった日) から、毎月の同じ日 (喪失応当日) で遡って区切った期間を単位に数えます (雇用保険法 14条1項)。同じ日がない月 (2月の30日など) は、その月の末日で区切ります。
例: 離職日が2029年5月30日なら、被保険者でなくなった日は5月31日で、区切りは次のようになります。
| 区間 | 期間 | 暦日数 |
|---|---|---|
| 1 | 2029年4月30日〜2029年5月30日 | 31日 |
| 2 | 2029年3月31日〜2029年4月29日 | 30日 |
| 3 | 2029年2月28日〜2029年3月30日 | 31日 |
| 4 | 2029年1月31日〜2029年2月27日 | 28日 |
2月には31日がないので、3つ目の区間は2月28日 (月末) から始まります。区間の長さは28〜31日でばらつきます。
1か月とする基準が変わる
- 賃金の支払の基礎となった日数 (雇用保険法 14条1項)
- 見直し前: 11日以上2028年10月1日以後の離職: 6日以上
- 日数で足りないときの時間 (雇用保険法 14条3項)
- 見直し前: 80時間以上2028年10月1日以後の離職: 40時間以上
- 対象になる週の所定労働時間 (雇用保険法 6条1号)
- 見直し前: 20時間以上2028年10月1日から: 10時間以上
- 端の区間 (被保険者になった日から)
- 15日以上で、基準に当たれば2分の1か月 (変わらない)
- 受給資格の要件 (雇用保険法 13条1項・2項)
- 離職の日以前2年間に12か月。特定受給資格者・特定理由離職者は1年間に6か月でも (変わらない)
時間は、日数で足りないときだけ見る
14条3項は、日数で数えた被保険者期間が12か月 (1年間に6か月の場合は6か月) に満たない場合に限って、時間の基準を足すと定めています。日数だけで12か月に届く人は、時間を見ません。業務取扱要領 (50103) も、離職日以前の2年間に日数で12か月に満たない場合に時間で数える、としています。
どちらの基準かは、離職日で決まる
改正法の附則8条は、見直し後の14条1項・3項を「被保険者期間の計算に係る離職の日が施行日以後である者」に適用し、施行日前の離職は「なお従前の例による」としています。働いた時期ではなく離職日で決まるので、2028年10月1日以後に離職すれば、それより前の区間も新しい基準で数えます。
同じ勤務の記録で、離職日を1日ずらした2つの例です。週20時間の契約で働き、欠勤が多くて、どの区間も賃金の支払の基礎が日数8日・48時間だった場合とします。
直近の1年2027年10月1日〜2028年9月30日
その前の1年2026年10月1日〜2027年9月30日
数える区間がないので、図に印はありません。
- 見直し前の数え方 (11日以上か80時間以上): 0か月
直近の1年2027年10月2日〜2028年10月1日
その前の1年2026年10月2日〜2027年10月1日
- 見直し後の数え方で数える (日数6日以上)
- 見直し前の数え方なら (11日以上か80時間以上、比べるための参考): 0か月
- 見直し後の数え方 (6日以上か40時間以上): 12か月以上
図の上の縁の切り込みは見直し前の数え方、下の丸い穴は見直し後の数え方で数える区間です。
週20時間未満で働いていた期間
見直し前の6条1号は、週の所定労働時間が20時間未満の人に雇用保険を適用しません。そのため、2028年10月1日より前に週10〜20時間未満で働いていた期間は、被保険者であった期間ではなく、区切って数える対象になりません。
施行日の前から同じ勤め先で週10時間以上20時間未満で働いている人は、施行日に雇用されたものとみなされます (改正法 附則7条)。31日以上働く見込みがあり、昼間の学生でないなど、ほかの条件にも当たれば、2028年10月1日から被保険者になる目安です。この場合、2028年10月1日以後の区間を数えるので、12か月に届くのは早くても2029年9月30日ごろの離職からです。
ほかに変わること (額は扱いません)
- 失業の認定: 働いた日でも、1日の労働時間が2時間未満なら失業日と認定します (見直し前は4時間未満)。
- 働いて収入があった日の基本手当の減額 (内職減額) はなくなります。
- 賃金日額の下限の額の決め方が見直されます。
出典: 厚生労働省 雇用保険部会資料「令和6年雇用保険制度改正(令和10年10月1日施行分)について」(2025年8月20日)。
見直しの規定は2026年10月5日の時点で未施行の法律です (施行は2028年10月1日)。施行までに改正されると、数え方が変わります。
この計算は条文に日付と日数を当てはめた目安で、受給資格の決定ではありません。受給資格の決定はハローワークが行います。離職票の記載、離職の理由の区分、ご自身の場合の扱いは、基本手当についての案内 (ハローワークのサイト) と、住所を管轄するハローワークで確かめてください。